フランクフルトまでは良かった。フランクから乗り継ぐイベリア航空、さっそく1時間遅れというスペイン的洗礼をお見舞いしてくれる。隣席になったのはアルメニア人のおばあちゃん、マドリで乗り換えてチリはサンチアゴにいる孫に会いに行くとか。片言のドイツ語(語彙数6〜7のみ、”ノイシュバインシュタイン城”を含む)で喋る羽目になったので、ぜんぜん違うかもしんないけど。
23:30、ようやくマドリ着。ダンナご自慢のプジョー306(ただし走行距離8万キロで購入)で市内北部のまだ見ぬ我が家へ。1年3ヵ月ぶりに新婚生活を再開するスウィートホウムは、レンガ色した小さな建物の4階(日本でいう5階)、エレベータなし。ダンナが用意してくれていた生ハムとメロンで乾杯!
翌朝、噂通りのコバルトブルー色した青空に惹かれて窓を開けると冷気が鋭く流れ込む。マドリは首都としてヨーロッパ1の標高(646m)を誇るのであった。窓を全開にし、清廉な空気を胸いっぱい吸い込み、くしゃみをひとつ。
ただし、名物の青空を見たのは初日のみ。その翌日から、雨また曇り。秋口は1年を通じて唯一雨の降る季節。”光と陰の国”と形容されるスペインだが、太陽が姿を消したマドリは……ひたすら寒い! 日中の最高気温が14℃なんて日もあり、みんな完全に冬の服装をしている。楽園のマウイ、残暑の成田を経由してきた私は能天気な格好をしていたので、すぐに風邪を引いて脳曇天。スペイン風邪じゃなかろうな。
到着後4日目、誕生日を迎える。ちょうど日曜だったので簡単に市内観光(バルに入ってビールと生ハム)した後、レストランで乾杯。チョリソ(豚の血のソーセージ)やその他の料理で腹がふくれていたので少し小さめというヒレステーキを頼むが、それでも200gはある。驚くなかれ、こっちでステーキといえば普通は300gなのだ。
この日注文した酒は、赤ワインにフルーツが入った”サングリア”。1.5リットルくらい入ったピッチャーで1,200円くらい。安いと思うでしょ? でもね、高いんだこれが。だって、ワイン1本が200円、ビールに至っては1本30円で売ってあるんだもん。
というわけで、昼食(午後2時)にも夕食(午後10時)にも、軽いおやつ(午前10時と午後6時)にも、ビールとワインは欠かしません。ちなみに、昼食には、2時間ある昼休みを利用して毎日ダンナが帰ってくるんだよ。スペイン的〜! ただし予想外の渋滞のため、ダンナはシエスタ(昼寝)はできず。もちろん、私はちゃんとやってるけどね!
さて、引越したらしなきゃなんないのが、電話の設置。旧NTTのような独占企業・テレフォニカに連絡してもらうと、8日以内に工事の日取りを教えるというなんともアバウトな返事。ところが翌日、午後5時に来ると突然の連絡が。仕事を中断して帰ってきたダンナとふたり待つが、6時になっても来ない。テレフォニカに確認すると、”折り返し連絡する”との返事。更に1時間近く経って来た返事は”わからない”。結局この日は来なかった。
2日後、突然”本日2時に行く”との連絡を受け、ダンナも早目に帰宅。4時、ダンナがいったん仕事に戻る。7時過ぎ、玄関のブザーが鳴る。”テレフォニカ!” 慌てて借りていた携帯電話でダンナに連絡しながら、玄関を開ける。ところが奴(ホセ)、配線を見ると首を振って帰ろうとする。”ダンナが今こっちへ向かってるから、あと5分待ってくれ”と身振り手振りで説明するが、ファイルをバラバラと見せて”忙しいから駄目”というようなことを(たぶん)言いながら、明日の午後2時半に必ず来ると言い残して帰ってしまう。5分後に帰宅したダンナ、唖然としながらも、ホセの携帯(聞き出したのだ!)に電話して工事の時間を再確認。
翌日、もちろん2時半には来ない。ホセの携帯に電話するも、なんと電源が入っていない! 4時、ダンナがいったん仕事へ戻る。仕事先から何度も電話した結果、やっと7時過ぎに繋がる。脅したり宥めたりすかしたりした結果、7時半、ホセが来る。鼻歌まじりの15分で工事は完了。ダンナと私、絶句。なんと、スペイン的!
というわけで、”ヨーロッパのアフリカ”ともいわれるスペインの本領発揮といったかんじで滞在1週間目を迎えました。でも、”きっとまだまだこんなもんじゃないぞ”と思ってます。なんでもかんでもどんと来い、ワッハハハ!(ピレネー山脈に向かって咆哮なのだ)