"トイレの中は謎だらけ"

 今日も朝から小糠雨。傘もささずに二重橋。脳にカビが生えかけております。こんにちは、カナです。

現在住んでいるちっちゃなピソには1階にA〜Dの4部屋があるだが、どうやら2階の少なくとも3部屋には同系の家族が住んでいるらしい。すなわち老夫婦、若夫婦と孫、それに叔父だか叔母だかの一家。というのも、赤いガウンを羽織ったおばあちゃんが、室内履きのままでB,C,Dの各部屋を行き来するのをよく見かけるのだ。おばあちゃんは私が「寒いですね」と挨拶するのに「ええ? ぜんぜん寒くないわよ」と目を剥いて驚き、その息子とおぼしき男性はスペインでは珍しくアメリカ的チェックのネルシャツを小粋に着こなし、その男性に抱かれた2歳くらいの男の子は恥ずかしがり屋でいつも私が階段の上に姿を消してから小声で「アディオス!」と言ってくれていたんだけど、居住半年目にしてついに私の顔を見て「ア・ディ・オ・ス」と言ったかと思うとパパのネルシャツに顔を押し当ててました。


 そんな寒いながらも心温まる土曜日、参加しているMLではトイレの話が。曰く「スペイン女性はなぜかトイレの後に手を洗わない」。確かに洗わない人が多い。手で直接拭くわけじゃないから良いと言えば良いのだが。トイレなんて全世界的にすることそう変わらないと思うんだけど、これがまたぜんぜん違うのよね、不思議。

日本でのトイレ(公共の場所にある洋式トイレを想定)の一連の流れをおさらいすると。 <1>座る(便座を消毒するか、トレペを敷く) → <2>用を足す → <3>拭く → <4>立って個室を出る → <5>手を洗う → <6>手を拭く(または乾燥させる)。ちなみに以前とある新聞で、女子高生などの間では<1>が「便座の上にウンコ座り」になるという記事も掲載されていた。私は足が滑って便器内に落ちることを考えると怖くてとてもできないけど。


ではスペインのトイレではどうなるか。まず、マドリッドに普通にある小汚くてタパスがうまくてビールが125Ptasのバルに入ったとしよう。トイレはどこかと聞くと、店の隅にある階段を指差される。ギィと音をさせてドアを開け、タイルのところどころ剥げた階段を降りるとトイレがある。まずトイレの電気を点け、次に個室の電気を点ける。そしてドアを閉めて鍵を掛けようと思ったら、鍵は壊れている(75%)。便座に腰掛けようとしたら、便座がない(20%)。トレペをチェックしたら、当然のように紙がない(50%)。ちなみにカッコ内の数字は私の経験。

さて、どないしまひょ。想像してね。

答えは、<1>中腰(内側からドアを押さえたまま) → <2>用を足す → <3>ポケットテイッシュで拭く(こんなこともあろうかと携帯している) → <4>立って個室を出る、でした。なお、<5>個室を出たら待っている女性がいたので「紙、ないよ」と声を掛けたら、当然のように頷いて入っていった。 <6>手を洗っていたら、先ほどの女性が個室から出てきてそのまま当然のように手を洗わずにトイレから出ていった、と続きます。


どうやらマドリレーニャは、<1>中腰でトイレすることができる <2>トレペがなくてもなんとかする <3>手は洗わないことも多い、ということらしい。

<1>は、鍵が壊れていることを考えると合理的。座ってしまうと手はドアに届かないのだ。それに皮膚が便座に(間接的にも)触れないのでどんな便座クリーナーを使うよりも衛生的。さらにスクワットのような体勢になるので筋力アップにもなる、と良いことづくめ。 <2>も、再生紙うんぬん以前に紙そのものを使わないのだから、とってもエコロジー。 <3>も同じく、貴重な水資源と紙資源を無駄にしないで済むし、もし<2>で手を使っていないのなら確かに洗う必要はないような気もしないでもない。エクセレンテ!

それに何より、以上のように簡略化することによって、トイレの一連の作業が<1>中腰で用を足す → <2>トイレから出る、と非常に簡略化されるので、彼女のトイレを待っている男性がじりじりすることもない。なんて素晴らしいのでしょう


 プハァ。失礼しました。ここまで書いてトイレに行ってました。いや、我が家のトイレなので紙も便座もあるよ。今日のように寒い日もセントラル・ヒーティング(我が家は、建物全体ではなく自分の家の好きな部屋だけ温める方式)があって快適。ただ、たまに便座カバーが恋しくなりやす。こっちで売っているのは見たことがないんだけど、だとすると日本で愛用していたサザビーの便座カバーは、サザビーが日本だけのために作っていたのだろうか? とするとアーノルド・パーマーのロゴが入った便座カバーは、アーノルド・パーマーがわざわざ日本の文化を学んでそれがためだけにデザインしたものなのだろうか。うーん、山は、温かい。(←これはC.W.ニコルだ)

そもそも最初に便座にカバーを付けたのは、誰なんだろうね? トイレひとつとっても、とかく世界は謎だらけ。



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