"スペイン学校で青い春。"

 20世紀の更新は、これでお仕舞いじゃろうとも。といってもスペインでは、2000年の1月1日から21世紀に入っていると主張する自治体があったり、「2000年でも2001年でも良いじゃん、騒げれば」っちゅう輩も多いそうなんじゃけどな。フォッフォッフォ。

ちなみに、このわかりにくいキャラクターは、パパ・ノエル(サンタクロース)でした。でも、スペインではパパ・ノエルは新参者で、子どもたちへのプレゼントを運んでくるのは、伝統的に1月6日、レジェス・マゴス(東方三賢人、だっけ。生まれたばかりのキリストにプレゼント持ってきた人たち)の役割だったんだ。最近じゃ悪い子たちがクリスマスにもプレゼント欲しいって言うから、どうやらパパ・ノエルはお母さんたちに煙たがられているようす。俺はトイザらスの手先じゃねえよ、そう言いたい言葉を胸にしまって、きょうもサンタはソリを飛ばすのだろう。

私の家には煙突がないからパパ・ノエルはやってこないし、極東から来たもんだから東方三賢人もやってきてはくれないだろう。でも、スペインに来て1年3ヶ月の間に、本当にいろんな贈りものを受け取った。なんとなく20世紀の締めくくりに、指折り数えたりしちゃおっかな。


スペインに来てすぐ、先輩みたいな後輩のH子ちゃんから、ガサガサ鳴る封筒が届いた。中にはバブ(入浴剤)が5個。送料 1.400円。 昨日、長崎の同級生であるAちゃんから、軽いダンボール箱が届いた。ちゃんぽんと皿うどんが各5個ずつ。送料 5.900円。9月、ほぼ日センサー会員証』が届いた。海外にも無料配送。 私がスペインいるばっかりに、みんなに余計な送料かけさせて、ごめんね。本当に、ありがとう。私だったら、できないかも。

たくさんの絵葉書、バースデイ・カードにクリスマス・カード、年賀状、写真、腰痛体操の本、箸、スリッパ、半天、3Dヌード絵葉書などなど、ありがと!

サイトを見てくれて、メールを出してくれて、ありがとう! 励ましてくれたり、おもしろいって言ってくれたり、共感してくれたり。会ったことも見たこともなく、玉子焼きの一切れを奢ることもできやしない私に。感謝以外に、なにもできやしないのに。だからもうホントにただただそれはそれはもう、感謝感謝でありますのです。



 スペインに来てからの15ヶ月の様子は、このサイトに書いた通り。いや、それよりちょっと、ヘコヘコ

熱を出してはKちゃんに病院まで付き添ってもらい、腹が減ってはTさんちでご馳走になり、部屋から締め出されては近所のペピータマテオの手を煩わせ、文章を書く自信がなくなったと言っては温かい言葉をせびり、雨が降ったら傘屋へ押しかける。まるでチンピラヤクザのような私。そういえば「チンピラヤクザ」と「インチキライター」って、よく似てるや

たくさん迷惑をかけ、たくさんの親切をもらいながら、こうしてなんとか生きていて、しかもなんだか生きているのが楽しくて仕方なくなってきちゃった。チンチキライター、春真っ盛り。 青春、なのだよ。このかんじ。


たぶん今、私はスペインという学校にいるのだろう。なんかオンボロだし、やたらと昼休みが長いし、ダメな人も(自分を含めて)多いけど、人間に寛大な学校。そこで私は、いろんなことを勉強している。隣の席には、気が優しくて力もない(ダメじゃん!)ダンナがいて。泣いたり笑ったり悩んだり後悔したり立ち直ったり、どえりゃー人生直球勝負

ちょうど先日、ある雑誌で海外生活のアンケートを受けた。ちょっぴり真顔で、自分の、ほんの少しの海外生活を振り返ってみた。「海外で生きる信条」を訊ねられた。余計なものを捨てて、真摯に正直に、屈託なくいること、そういった内容のことを答えたんだ。本当はなかなかそうはできないから、今日も弱音メールを出しちゃったりするんだけど。

でも、弱くてダメなのも、強くてカッコイイのも、ぜんぶ人間やけんばい。スペイン学校は、そう教えてくれているような気がする。ここにいると生きているのが楽しくて仕方ないって思うのは、人間とか自分とかを好きでいられるような気がするからかもしれん。そんなのは外国人の幻想に過ぎないとしても。


ほら、青春っぽい語り口調になっとるやろうが。青い春ついでに、2001年の抱負ば書くけんな。

「赤塚不二夫のように。」



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