皇太子に赤ちゃん誕生!


[31.Oct.05]

 昨日(10月30日)、お昼を過ぎたあたりからマドリードに激しい雨が降りはじめ、やがて少し勢いを弱めたけれど、夜になってもいっこうに止まない。まぁ今年は水不足が危機的な状況にあったから、恵みの雨というものだわね。そう思いつつ、夜8時過ぎにテレビをつけたら、「レティシア皇太子妃、入院!」との特番が始まったところだった。「あと数時間で、新たな王室ファミリーに関する喜ばしい情報が届くはずです」

 どのチャンネルも(教育テレビとローカルテレビを除く)、それぞれ特番を放送中。フェリペ皇太子とレティシア皇太子妃との結婚から、妊娠発表、そしてその後の経過が紹介される。なかにはフェリペ皇太子自身の出産、あるいは父であり現国王フアン・カルロスの皇太子時代(つまりフランコ独裁将軍の後継者として指名された頃)さらにはその父でありポルトガルに逼塞し自分をすっ飛ばしての息子の王位継承を最後まで拒否し続けたドン・カルロス、しまいにはその父のアルフォンソ13世まで遡る騒ぎ。

 それでわかったのは、これまでスペインは男子にしか継承権を認めてこなかったこと。一方で今回生まれてくる赤ちゃんの性別に関しては、それをしつこく訊ねるマスコミに対し、皇太子夫妻も国王夫妻も「事前には私たちも一切わからない」「男でも女でもどちらでもいい」と表明していたこと。そして、おそらく生まれてくるのは男子だろうと思われていたこと。


 この間、メディアには、王室から出産の進行状況を伝える携帯メッセージが度々送られたという。
 そして日付が変わって10月31日午前1時46分、ルベール国際病院10号室にて、赤ちゃんが誕生。身長は47cm、体重は3,540g(けっこう大きいね)、予定よりも半月ほど早い37週目の出産だったが、母子ともに健康。レティシア皇太子妃の退院は約1週間後、そして赤ちゃんの洗礼はクリスマス過ぎに行われる予定。そして、性別は女の子、名前は「レオノール」。

 記者会見でフェリペ皇太子は、「すべてのディテールを知りたかったから」と立ち会い出産をした感動を、生々しく語った。

 「これは、人生に起こりうるもっとも素晴らしいことです。娘レオノールの誕生に関して、、私たちは本当に幸せですしその輝きにみちています。皇太子妃は、帝王切開ではありましたが、元気です。
赤ちゃんは、大きくて、で、丈夫に見えます。そして、説明したいことは『赤ちゃん(男女問わず)の顔をはじめて見た父親』と同じになります。とくに、『母親』の顔ですね。それはすべてに満足しきった顔で……。僕は、その隣にいたんです。

 『母親』の顔は、僕なんかよりもずっと素晴らしかったです。僕は、赤ちゃんが産まれてくるのを見て、見たはずなんだけど、そのあとすぐに連れ去られてしまってから『あっ、いまのはなんだったんだ?』って(笑)。
 どっちに似てるかというと、どちらにも似ていると思います。すぐに、みなさまにもお目にかけます」


 第一子が女性だったことで、王位継承問題が、ここスペインでも発生する。現行法は、男性の優位を認めているのだ。しかし王女の出産を受けて政府側は、「女性に王位継承権を認める法改正を行うまでは充分時間があるし、その法律は、改正以前に生まれた女子にも適用されるだろう」と発表し、皇太子をはじめとする王室側も繰り返し「喫緊の問題ではない」と強調している。

 これまで全チャンネルのニュースを見ても、法改正は当然のものとして受け止められていて、あくまでも「その手続きがこのように煩雑なので、けっこう時間がかかりそうです」というのが最大のポイントであり、「女子に王位継承権を認めてはならない」というのは聞かなかった。

 というわけで、スペインのブルボン王家の皇太子夫妻の第一子として生まれたレオノール王女。いとことして、フェリペ皇太子の姉妹であるエレナ王女の2人の子どもたち、フェリペ・フアン・フロリアンとビクトリア・フェデリカ、そして同じく皇太子の姉妹であるクリスティーナ王女の4人の子どもたち、フアン、パブロ、ミゲル、イレーネをもつ、現国王夫妻を筆頭とする王室の10番目のメンバーとなる。

 そして、フェリペ皇太子が国王となったならば、その第一子として、第36代アストゥリアス王女(スペインでは代々、王位継承者がアストゥリアス皇太子になる)となり、加えて王室の伝統によるとジローナ及びビアナ王女、モンブラン女公爵、セルベラ女伯爵、バラグエル領主となることになる。そしてもし王位継承権が認められて女王となれば、スペインの歴史上、6人目の女王となるらしい。

 ともあれ、新たなる生命の誕生よ、言祝ぐべきかな。

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