カセレス / CACERES

【歴史】

 ローマ時代に建設された町。城壁の中は町が栄えた中世時代のまま残っている。


 近郊の洞窟から遺物が発掘されており、この地にかなり早い段階から人類が定住していたことを示すとみられている。

 カセレスの町はローマ時代、「銀の道」の宿駅として建設された。1229年にレオン国王アルフォンソ9世がレコンキスタすると、この町は自由市が立ち、商取引で大いに栄えた。さらには続くスペインの黄金時代に勃興した新大陸貿易成金たちもこの町に詰めかけて邸宅を築いたが、1477年、スペイン統一を目指すカトリック両王の命で、軍備的性格のある塔は破壊された。

 19世紀、20世紀に起った戦争でもこの町は奇跡的に損害を受けることなく、城壁に囲まれた当時のままの姿を現在まで残している。




【観光】

 城壁ごと町ひとつが中世からタイムスリップしてきたようなカセレスは、世界遺産に登録されている。

 重要な建築物は、町が繁栄した15〜16世紀のものが中心。ゴシック様式のサンタ・マリア教会は、黒いキリストが保管されている。カセレス−オバンド家の邸宅とコウノトリの塔は、カトリック両王が存続を認めた唯一の塔。古い町並みのあちこちに、コウノトリの巣が見られる。




【名物料理】

 内陸部なので、仔ヤギや仔羊、またイベリコ豚など肉類がおすすめ。また、有名なチーズの産地が近郊にある。


 名物料理は、Cabrito Asado al Romero「カブリート・アサード・アル・ロメロ」(仔ヤギのソテー、ローズマリー風)。離乳するまでのヤギの肉は柔らかく、臭みもあまりない。他にもCordero「コルデロ」(仔羊)や、Cerdo Iberico「セルド・イベリコ」(イベリコ種の黒豚)などが食べられる。

 またカセレス県にカサルという村があり、ここで生産されるD.O.Torta de Casar「トルタ・デ・カサル」というチーズは、国内外の数々の賞に輝いている逸品。メリノ種の羊乳で作られたこのチーズはとろりとしたクリーム状をしており、スプーンに載せて供されることも多い。匂いはかなりクセがあり強烈だが、味わいはいたってまろやかで、一度好きになるとやみつきになるひとが多い。という私も、そのひとりである。原産地呼称制度認定。


 ワインは、地元のD.O.Ribera del Guadiana「リベラ・デル・グアディアナ」。赤、白ともに飾らない素朴な味わいのものが多い。


トルタ・デ・カサル。強烈な匂いと、上品な味

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