【歴史】
サンティアゴ巡礼道上に位置する町。しかしこの町がもっとも重要性を持つのは、ラ・リオハ州の州都であるという点においてである。
町は755年という早い段階で、レコンキスタによってキリスト教徒の勢力下に入っている。その後、キリスト教の三大巡礼道のひとつであるサンティアゴ巡礼道上の町として、ナバラ王国のもとで町として発展を遂げる。現在、ラ・リオハ州の州都で、人口は約13万。
リオハの歴史を大きく変えたのは、1867年、隣国フランスでフィロキセラが大発生したことがきっかけだった。この害虫によって、フランスのブドウは壊滅的な被害を受けたという。そこでボルドーの栽培家リスカル侯爵が、新天地を求めてリオハに移住、フレンチ・オーク樽での熟成などフランス式の醸造方法でワイン生産を開始した。これによってリオハ産のワインの品質は急激に向上し、現在に至るまでスペインワインの代表産地となっている。
Rioja「リオハ」は1920年代にスペインで最初のD.O.(原産地呼称制度)の認定を受けると、1991年にはスペインで唯一のD.O.C.(特選原産地呼称制度)に昇格した。そのためリオハでは、それぞれのワインがCrianza(クリアンサ)、Reserva「レセルバ」、Gran Reserva「グラン・レセルバ」として認められるために、他の一般的なD.O.(原産地呼称)に比べて何割か多い熟成期間を必要とすると定められている。現在スペインにはD.O.認定産地が約60あるが、D.O.C.に認定されているのはリオハだけである。
【観光】
世界でも広く知られる赤ワインの産地。フルボディの赤は、ボリュームある肉料理にもよく合う。
19世紀から続くリオハの赤ワインの伝統的なスタイルは、タンニンを多く含むどっしりとしたフルボディ。これがスペインワインに対する世界的な評価でもあったのだが、80年代のD.O.Ribera del Duero「リベラ・デル・ドゥエロ」発の一連のスーパー・スパニッシュ・ワインの成功に刺激を受けて、90年代からはより軽やかでフルーティな風味を持つワインの生産に取り組むワイナリーが続出。現在のリオハでは、伝統的な赤と、革新的な赤と、対照的なタイプのワインがともに生産されている。
しっかりした赤ワインと合うのは、コクのある肉料理。私がこの地方を訪れたとき、地元のワイナリーのひとに「これが合う」と勧められた郷土料理は、Moricilla「モルシージャ」(豚の血にタマネギやスパイス、米を入れて作ったソーセージ)、Higado Fresco「イガド・フレスコ」または Foie-gras Fresco「フォアグラ・フレスコ」(フレッシュ・フォアグラ)など。ちなみにフォアグラを食べる習慣は近年フランスの影響で始まり、最近では近郊で生産しているので新鮮なものが食べられる、ということだった。どうもこの土地では、グルメのルーツはフランスにたどり着くらしい。たしかに、美味かったです。