プラセンシア / PLASENCIA


【歴史】

 ヘルテ川の河畔の町プラセンシアは、エストレマドゥラ州の北に位置し、カスティージャ・イ・レオン州との境まで約60km。近郊の谷は風光明媚なことで知られる。


 プラセンシアという町として歴史に登場するのは、1186年のこと。当時から続く市場は、現在も火曜に、マヨール広場で開催されている。以降は伯爵領となっていたが、1488年、4年後にスペイン統一を成し遂げるカトリック両王の手に渡された。近くのカセレスと同じく、ここも城壁に囲まれた中世の町が今日までその姿を留めている。




【観光】

 カテドラルの他には、とくに観光名所というものはない。しかしプラセンシア周辺には、ぜひ足を伸ばしたい魅力的な場所もある。

 カテドラルは、14〜15世紀にかけて建てられたゴシック様式のもの。他にも教会や有力一族の邸宅などに、当時のゴシック様式とルネッサンス様式のものが残されている。

 プラセンシアは「銀の道」の途上にあり、カセレスまで80km、サラマンカまで130km。

 また東の方面にあるヘルテの谷は桜の名所として知られ、とくにクアコス・デ・ユステの町には、神聖ローマ帝国皇帝として大版図を築いたカルロス5世が晩年を過ごした、静謐なユステの僧院がある。

 そして南方には17.852haの広さをもつモンフラグエ自然公園があり、黒や黄褐色のハゲワシ(あるいはハゲタカ)、また黒いコウノトリなど、希少種を含め200種以上の動物の棲息地となっている。ちなみにこの地方では、「普通のコウノトリは赤ちゃんを運んでくるが、黒いコウノトリは双子を運んでくる」という言い伝えがあると聞いた。




【名物料理】

 内陸でポルトガル国境沿いのエストレマドゥラ州は、肉、とくにイベリコ豚が美味しいところ。


 ポルトガル国境沿いの山地は、最高級のCerdo Iberico「セルド・イベリコ」(イベリコ種の黒豚)の産地として知られる。このあたりはカシやコルクの樹が多いのだが、とくにこのカシの実つまりドングリだけを食べさせて育てた豚はBellota「ベジョータ」(ドングリ)と呼ばれ、特級扱いになる。その価格は、仔牛フィレ肉なんかよりもよっぽど高い。

 このイベリコ豚を用いたJamon「ハモン」(生ハム)はもちろん、Chorizo「チョリソ」(スパイシーソーセージ)、Morcilla「モルシージャ」(血入りソーセージ)などのEmbutido「エンブティド」(腸詰類)一般が、エストレマドゥラ名物となっている。同じ品質のものがマドリードより安くで食べられることが多いので、この地方に足を運んだら、ぜひ一度味わってみてほしい。


 ワインは地元の赤が中心だが、食後酒としてこの地方で親しまれているのがLicor de Cereza「リコール・デ・セレサ」、サクランボの焼酎。消化を助けるという。もちろんサクランボも名産品だ。また、2002年から発売されている地ビールのLegado de Yuste「レガド・デ・ジュステ」は、スペイン初の修道院産。しっかりした苦味とコクのあるビールで好評を得ている。



チーズと腸詰の盛り合わせ

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