サンタンデル / SANTANDER

ヨットハーバー


【歴史】

 カンタブリア海に面し、陸地に深く入りこむ湾を持つサンタンデルの町は、古くからスペインの重要な港のひとつであり、現在もイギリスと結ぶフェリーが運行されている。夏の高級保養地としても有名。


 中世からこの町には造船所が置かれ、カスティージャ王国の北の海の玄関口として重要な意味を持っていた。カスティージャ名産の羊毛も、多くはここから輸出され、フランドル地方で毛織物に仕立てられた。18世紀には新大陸貿易を背景に、カンタブリア地方唯一の港として大きく発展を遂げる。

 19世紀にサンタンデル銀行が設立されるが、これを母体とする現BSCH(Banco Santander Central Hispano)「バンコ・サンタンデル・セントラル・イスパノ」は、現在スペイン第2位、ヨーロッパでも10位内に入る大手銀行である。同世紀にはカスティージャ地方の小麦の、キューバやプエルトリコへの輸出を中心に繁栄したという。

 また1912年、ときのスペイン国王アルフォンソ13世が王室の夏の離宮を郊外に建設したのをきっかけに、上流階級の夏の保養地としても開発が進んだ。しかし1941年に大火災が起き、町の大部分が被害を受ける。現在の町並みは、その後再建されたものが多い。





【観光】

 港と文化の町。夏はリゾート客で非常に混みあう。

 町は大火災後に再建されたため整然としているが、カテドラルには12世紀の地下納骨堂が保存されている。湾内をフェリーや大小取り混ぜた船が行き交う様子は、湾に面した遊歩道やペレダ庭園から見ることができる。やや郊外となるサルディネロ地区が高級リゾート地の中心となるビーチで、優雅なカフェやレストラン、カジノなどが並ぶ。

 かつての王室の離宮は、現在、この地の出身である文学者の名前がつけられたメネンデス・ペラヨ国際大学になっていて、夏期コースには世界中から留学生が訪れる。また毎年夏には1ヶ月にわたって国際音楽祭が開かれ、コンサートから舞台まで様々な催しが行われるので、こちらも国内外から多くの観光客が詰めかける。現在サンタンデルは、夏の文化都市というイメージが強い。





【名物料理】

 とにかくシーフードが有名。ただしリゾート地の区域では、かなり価格は高めになる。


 サンタンデル市内には、庶民的な店から高級店まで、多くのシーフード・レストランがあり、新鮮な魚介類を出している。通りに面してショー・ウィンドウを出しているところも多く、魚を焼く良い匂いもあちこちから漂ってくるので、魚好きにはたまらないだろう。新鮮なSardina「サルディナ」(イワシ)を焼いたものなど、日本人の多くが「醤油と白いご飯が欲しい!」と唸る美味しさ。なお、カンタブリア産のAnchoa「アンチョア」(アンチョビ)は品質が高いと定評がある。

 ワインはブドウ栽培の北限を越えているため有名な産地はないが、この一帯で広く飲まれるSidra「シドラ」(リンゴの酒)はさっぱりしていて魚介類に良く合う。日本で市販されているシードルほど甘くないので、食事と一緒に飲んでも違和感はない。シドラは片手でグラスを低い位置に持ち、もう片方の手で瓶を高くかざして、空気をいっぱい入れながら注ぐのが一般的。Camarero「カマレロ」(ウェイター)の慣れた手つきを見るのもまた一興。

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