シッチェス / SITGES

【歴史】

 古くローマ時代に起源を持つ町だが、19〜20世紀には高級リゾート地としてその名を知られるようになった。


 ふたつのビーチに挟まれた岩場の上に建つシッチェスは、古くから難攻不落の町として知られてきた。町はかつて城塞と塔で囲まれ、海上からの攻撃にも耐えうる軍事的な重要拠点となってきたという。

 この町がそんな性格を大きく変えることとなったのが、19世紀半ばのこと。1836年から52年にかけて、アメリカで大成功を収めて帰国したカタルーニャ人が、当時の流行の様式でこのシッチェスに次々と大邸宅を建てたのだ。それから現在まで、シッチェスはバルセロナ市民の、とくにブルジョワ階級の別荘地となっている。人口約17.500のこの町は、夏には別荘でのステイを楽しむ人々とバルセロナからの日帰り観光客で膨れ上がる。




【観光】

 海と芸術の町。もし町が気に入って、町にも気に入られたら、潮風に吹かれながら身も心もゆっくりと休めることができるだろう。

 シッチェスは別名、芸術の町。1892年にこの町にやってきたルシニョールの作品を展示するカウ・フェラー美術館や、マリセルの作品や収集品を展示するマリセル美術館がある。また毎年ここで、インターナショナル・フィルム・フェスティバルと、インターナショナル・シアター・フェスティバルが開催されている。インターナショナル・フィルム・フェスティバルはファンタジー映画を中心としたもので、2000年は日本の広末涼子が最優秀主演女優賞を受賞した。

 ということで、町にはアーティストが多い。たしかジミー大西が芸能活動を休業後に絵画作成のために滞在していたのも、ここ。そして、これはわりと広く知られた話なのだが、ゲイ・ピープルも多いらしい。それもこれも含めて、芸術の町である




【名物料理】

 地中海沿いということで、シーフード料理がおすすめ。


 夏などシーズンの時期を中心に、ビーチ沿いのレストランは満員となる。シーフードを中心に、メニューにはパエージャなど米料理も並ぶ。私のおすすめは、もしあったらArroz a Banda「アロス・ア・バンダ」。魚介類の出汁で米を煮込んだもので、パエージャと異なり、汁気がたっぷりと残っている。言うなれば、ブイヤベースのおじやだ。基本的に賑々しい具は入っていないが(出汁を取った魚は別皿で出される)、一口食べれば、風味の豊かさが口いっぱいに広がるだろう。

 ちなみに私が食べたのはArroz con Bogavante「アロス・コン・ボガバンテ」(ロブスター入りおじや)で、1人前が入ったカスエラ(土鍋)に、縦にふつに割られたロブスターが1匹分、でんと放り込まれていた。味はといえば、これまでスペインで食べた料理の中でベスト・スリーに入るかもしれない。なお、高級リゾート地なので、価格はバルセロナ市内よりも高いと思っておいた方が良いだろう。

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