旅行記 『夢のカナリア諸島ナリ!』
【歴史】
大西洋に浮かぶカナリア諸島のひとつがテネリフェ島で、サンタ・クルス・デ・テネリフェ県の中心。近年は観光開発が進む。
カナリア諸島は、大西洋に浮かぶ7つの島からなる。スペイン本土からの距離は1.000km以上あり、一方でモロッコまではもっとも近い地点で約100km。西側4島がサンタ・クルス・デ・テネリフェ県に、東側3島がラス・パルマス県に属する。年間を通じて気候は温暖で、「常春の島」として知られる。
古代から存在したというこの島々には、もともとグアンチェ族が暮らしていた。14世紀に「発見」されたとき、彼らグアンチェ族は石器時代と変わらぬ生活を営んでいたといわれる。1494年、スペイン人によって征服。ときはカトリック両王の時代、2年前にスペイン統一が完成したばかりであった。その後、新大陸貿易の重要拠点となり、トマトやジャガイモが伝えられた。
16世紀に城塞が築かれ、18世紀には軍隊が進駐して軍事的な重要性が増す一方、新大陸貿易の拠点として商業面でも重要な役割をもつようになる。19世紀末からは観光開発が進み、現在、カナリア諸島全体には年間で1千万以上もの観光客が訪れるようになった。
【観光】
テネリフェ島の中心には、スペインでもっとも高いテイデ山がある。山を挟んで北は古い港町が、南は新しいリゾートホテル群が広がっている。
テイデ山は標高3.718mで、富士山より58m低い。周囲はテイデ峡谷国立公園になっており、約13,500haの広大な土地では高山植物を中心とする様々な動植物を見ることができる。また、月の海に似た風景をもつ平原などもあり、その異観は一見の価値あり。テイデ山頂までは、ロープウェイで簡単に登ることができる。あまりに簡単すぎて、軽い高山病になってしまった。
島の北部は、古くから開発された港を中心にして約20万の人口のうち多くが住んでおり、賑やかな港町といった雰囲気。植生も比較的豊かで、カナリア名物のバナナ栽培農場や、18世紀に作られた植物園、また観光スポットとなっているオウムなどの鳥類を集めた公園ローロー・パルケがある。
島の南部は溶岩が剥き出しの土地が多いが、ラス・アメリカスビーチなどを中心に高級ホテルが立ち並ぶ一大リゾート地となっており、とくにドイツやイギリスからの観光客が多い。
またカナリア諸島はすべて免税となっているため、お土産として酒、タバコ、葉巻、電化製品などの人気が高い。。
【名物料理】
カナリア諸島の名産品は、バナナとトマト。新鮮な野菜には乏しいが、原産種に近いジャガイモを独特のスタイルで食べる。
スペインでは、2種類のバナナが売られている。ひとつはエクアドルなどから輸入したBanana「バナナ」、もうひとつがカナリア諸島で作られたPlatano「プラタノ」。用語として厳格な区別はないが、一般的にこう区別して表記されているようだ。色鮮やかで大ぶりの輸入バナナに対して、プラタノは小ぶりで、味も若干イモ類に近いようなパサつきがあるのだが、素朴な風味であり人気は高い。
また有名なのはMojo Picon「モホ・ピコン」というソース。代表的なのはVerde「ベルデ」(緑)とRojo「ロホ」(赤)で、ベルデはグリーンペッパー、ロホはレッドチリをベースとしている。ニンニクやクミンなど香辛料をたっぷり使ったソースで、茹でたジャガイモにかけたりして食べる。
テネリフェ島には、5つもワインの原産地呼称制度認定産地がある。白、ロゼ、赤と多様なワインが作られているが、傾向としては、甘口でフルーティなタイプが多いといえよう。