レアル・マドリーのあゆみ
まず最初に。日本ではReal Madridを「レアル」と呼ぶが、現地スペインでの通称はMadrid「マドリー」。なぜこんなことになったのかわからないが、これではまるで「マクドナルド」を「ナルド」と呼ぶようなものである。スペインで「レアル」と呼ぶと、Real Sociedadのことだと思われる可能性が大(通称「ラ・レアル」)なので、スペインではどうぞお気をつけ下さい。
さてチームは1902年創立。以後100年にわたり71回行われたリーガの歴史のうち、2000-2001のシーズンを含め、28回優勝(ライバルのバルサは16回)。名だたるスター軍団を擁する、世界最強のクラブチームのひとつである。
それなのに、なぜマドリーが嫌われるのか。まずはその資金力に理由がある。2000年のフィーゴに推定約66億円、2001年のジダンに推定約80億円、そして2002年にはワールドカップを制したばかりのロナウドを推定約52億円で獲得。続く2003年の、バロン・ドールでもないベッカムの高額獲得、また優勝翌日のデル・ボスケ監督やフェルナンド・イエロの解雇で、さすがに少なからぬファンを失った。
このような「サッカーではなくビジネス」と揶揄される近年の経営方針以外にも、マドリーが嫌われる理由はある。それはフランコ独裁時代に、フランコが肩入れしていたからという歴史的背景だ。といっても、民族主義的運動の盛んな今日、「サッカーではなく政治」の手段としてマドリー攻撃を行うケースも少なくなく、また当時の具体的な事実(バルサに移籍が決まっていたアルゼンチン人ディ・ステファノが、マドリーに横取りされた、フランコはアッレティにも肩入れしていた、など)についても、真実の真実は闇の中。というわけで断言は避けるが、間違いなくこのような傾向があることは記しておきたい。
ちなみにバルサファンの知人は、quiniela「キニエラ」(サッカーくじ)では、必ずマドリーが負けるところに印をつけるという。外れてもいい、逆に残りがぜんぶ外れても、そこだけ当たっていればいいと言う。そういう話も、珍しくない。
ところで、近年のマドリーの特徴は、「欧州カップ戦に強く、国内リーグ戦に弱い」と言われる。以前ほどあからさまではなくなったが、重要な国際試合の前には、リーガの方には一軍半みたいな選手を出して主力を温存したりもしている。その狙いは、けっこうな額になる賞金と推測されていた。たとえば、2002年に制した欧州チャンピオンズ・リーグの優勝賞金は、約43億円。クラブは当時莫大な借金を抱えていて、この賞金も利子返済に充てたら終わりになると言われていたが、やはり魅力的な金額には違いない。たとえそれが、シダンの右足分しか買えない額だとしても。
この借金体質から鮮やかに脱却してみせたのが、無謀と言われていたフィーゴ獲得を公約にしてプレシデンテ選挙に勝ち、今日のスター軍団を作り上げたフロレンティーノ・ペレス会長。市内高級住宅地にあった練習場を売却し、一気に借金を返済。現在、バラハス空港近くの広大な土地に、新たなクラブハウス兼練習場を建設中。なお、現マドリード市長のガジャルドンと仲が良く、工事にはガジャルドン関連の企業が絡んでいて、かなりの利益を双方にもたらしたのではないか……というのが、市民の「常識」となっている。
なお会長選の直前に、前のプレシデンテの血縁のお嬢さんと盛大な結婚式を挙げたミチェル・サルガドの今後をひそかに心配していたりしたのだが、まったくの杞憂だった。ホッ。
ログ
2005年までの、選手データと観戦記・関連コラム。
オマケで、噂や遭遇記とバレンシア C.F.も素敵!。

