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 マジョルカ・チャンネル
ch.14 <<パルマのメルカード・オリバル>>


[ 20.Jul.2005 ]

 Vol. 14 待ってた♪ 待ってた♪ オークボ戻る


 7月11日から来季に向けての練習が始まったマジョルカ。夫人の出産に立ち会うため、クーペル監督の許可を得て、チームへの合流を遅らせた大久保選手だったけど、結局は赤ちゃんの顔を見ぬまま、14日にマジョルカに戻った。残念だったろうなぁ。でも、地元では、よぅ帰ってきたねぇ、と歓迎ムードなのだ。地元ニュースでも、「オークボ戻る」とのタイトルで、炎天下でチームメートと練習する大久保選手の映像が流れていた。(この原稿をスローペースで書いているうちに、お子さん誕生のニュースが入った。おめでとう!)


 肝心の前シーズン最終戦のことを書いていないので、ちょっとばかり時間を5月末に戻させていただく。対ベティスの最終戦。はっきり言ってしまうと、普段はそう人が入るわけではないホームスタジアム、ソン・モッシュが、この最終戦に残留がかかっていたため、超満員となった。なんでも48時間で完売したらしい。試合開始前からすごい盛り上がりで、道路には発炎筒がたかれ、選手たちを乗せたバスが煙の中から現れた時には、映画の1シーンというか、『西部警察』のオープニングのようだった。

 さて、スタジアムを埋め尽くした観客だが、多くは目の前の試合を見ながらも、残留争いのライバル、レバンテの試合をラジオで聞いていたようだ。ソン・モッシュでの試合の流れに全然関係ないところで、さーっと落胆の空気が流れた時があった。レバンテが対戦相手ビジャレアルに先制。ビジャレアルが反撃に出るまでの18分間、マジョルカは2部落ちしていたと言える。だが、これまた全然関係ないところで、歓声があがる。ビジャレアルが逆転。ソン・モッシュでの試合、先発の大久保選手は、シュートを決めてやる! という気負いはガンガンに伝わってくるのだが、残念、ゴールには至らなかった。試合は1対1の引き分けで終了。ベティスの監督(この人はマジョルカ人)が言ったように、ベティスはこの結果でチャンピオンズ・リーグ出場権をゲット、マジョルカは1部残留、と両チームにとって嬉しい結末になった。鬼監督クーペルも、会見で一瞬涙ぐんだ、実に感動的な最終戦だった。ホント、まさに奇跡の1部残留だった。

 そして私たち在留日本人にとっては非常に嬉しいことに、大久保選手が来季もマジョルカでプレーすることが決定。少なくとももう1年、大久保選手を応援できるなんて、こんな日本人冥利に尽きることがあるだろうか。そして前に書いたことに続くのだが、地元ファンの間でも、しっかりオークボは俺たちのチームのフガドール(選手)として、日本から戻って来るのが待たれていたのだ。練習参加初日、サインを次々とねだられている映像が流れていた。実際、「オークボのおかげでマジョルカが助かった」という声を、私は周囲でよく聞いた。怪我をしたり、試合に出してもらえなかったり、辛い時期があっただろうに、ここ一番というところで大活躍した大久保選手。まだ若いのに、本当にとんでもなく素晴らしい選手だ。


 さて、数日前までマジョルカは熱波に襲われていた。一歩も外に出たくないと思わせる炎天下、練習に励む選手たちの姿には思わず同情。そんな中、15日の練習はなんとビーチ!これは珍しいことらしく、全国放送のニュースでも扱われていた。楽しそう、と単純に思ってしまったのだが、砂の上を走るのは、きつそうだった。それでも、練習後、スイカをほおばる選手たちの姿は微笑ましかった。翌日の新聞『ウルティマ・オラ』には、ボールを追う大久保選手など、何枚も写真が掲載されたが、特に私が気に入ったのは、選手たちに背を向けてクーペル監督が微笑んでいる写真。白い歯を見せて、クックックッと笑っている感じなのだ。残留のプレッシャーがなくなり、これまでの気難しそうな雰囲気が薄れたように感じるのは私だけだろうか。18日からはオーストリアで合宿が行われている。毎日現地から送られてくる映像を見ていると、涼しげな美しい景色の所だが、練習内容はかなりハードそうだ。

 大久保選手には、今季も活躍して、スペイン・リーグで揉まれて、一回りも二回り大きい選手になってほしい。シーズン開始の8月28日が、今から心待ちにされる。




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