マジョルカ島から
ベンビングッツ!

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 マジョルカ・チャンネル
ch.19 <<モンティ・シオン修道院の井戸>>


[ 16.Dic.2005 ]

 Vol.19 暴言?で出場停止


 12月11日の対オサスナ戦。オサスナといやぁ、前季のあの大久保選手の幻のゴールを思い出す(Vol.11をご覧あれ)。思い出しているのはもちろん私だけではなく、試合前のインタビューでも、キャプテンのカンパーノが、「ヨシトのゴールが取り消されたし…」と述懐していた。

 そのオサスナ、前季は15位という成績だったのに、今季は好調で、バルサとトップ争いをしている。この日もラジオ観戦の我が家。マジョルカを初めとするバレアーレス諸島には、州独自のチャンネルIB3が今年新設された。これでマジョルカの全試合をテレビで見られる!と喜んだものの、放映権のせいなのか、原因はわからないが、毎週土曜日スペイン・リーグの試合を中継するものの、ほとんどマジョルカに関係ない試合ばかりなのだ。これはよくわからん。「これなら中継などしない方がいい」と我が家では非常に不評だ。それはさておき、ラジオを聞き始めて5分、キーパーのプラッツの信じられないミスからオサスナに先取点を奪われた。中継のおっさんが、試合中ずーーーっとこのミスのことを非難していたので、とんでもないミスだったのだろう。

 このミスの後、ゴールのチャンスを何度も失いながらも、マジョルカは相手に追加点を許さず、0対1で試合終了となりつつあった。ロスタイムは4分。その4分が終わるという時に、マジョルカがコーナー・キックを得る。同点の最後のチャンス到来!といきたいところだったが、ここで試合終了の笛が鳴ってしまった。そこからの映像は、何度もいろんなテレビ局で流された。

 マジョルカの選手が審判に詰め寄るのだが、後半19分から出場していた大久保選手の姿もその中にあった。テレビの映像を見る限り、大久保選手が何か言った途端、主審が怒っている。主審は「17番、ヨシト・オークボが腕をつかんで、顔を見て、『エレス・イッホ・デ・プータ』と言った」という報告書を出した。直訳すると「お前は売春婦の息子」という意味で、スペインではよく使われる侮辱の言葉なのだが、相手を侮辱するだけでなく、お母さんまで巻き込むわけだから、かなりきつい表現となる。実際、全国放送のニュースでは、「オークボは公式にはあまりスペイン語を話せないとされているが、審判の母親には挨拶した」と皮肉られていた。このニュースを聞いて、「なんで、日本語で言わんかったんやろ」と思わず娘と嘆いた、あまり良い親ではない私である。というのも、「他人の悪口言いたくなったら、日本語で言っとき。わからんで」と常々娘に言っており、街で前を歩くお姉ちゃんを、「うわっ、すっごいでっかいお尻やなぁ」などと言っている母娘であるからだ。


 話を大久保選手に戻そう。地元新聞は最初、「オークボが主審を侮辱」と書いていたものの、翌日には、「オークボは侮辱していないと否定」という見出しが出て、「単に『まだコーナーのチャンスがあると言っただけだ』」という大久保選手のコメントが掲載されていた。そして、そのまた次の日には、「1試合だけ出場停止」と。クラブの申し立ては、次の3点がポイントだったらしい。前述のIB3が撮影した映像(おーっ、ちゃんとここでは役に立ってる)では、大久保選手は主審にさわっているが、主審が主張しているように腕をつかんでいないのがはっきりわかるという点。試合終了後にクラブの法律顧問と大久保選手が謝罪に行っているという点。そして大久保選手の言葉の問題。最悪4試合出場停止かと言われていただけに、1試合だけですんだのは不幸中の幸いだと思う。

 このニュースに絡めて報道されているのが、今シーズンの合宿前に通訳の職を離れたモイセス氏の復帰。地元新聞の報道が確かなら、今月15日に再びモイセス氏が大久保選手の貴重な助っ人に戻っているはずだ。このニュース、私としては喜んで良いのかどうか、微妙なところだ。通訳の助けなしに、チームにしっかり馴染むようにとモイセス氏がはずされたのだから、今の大久保選手のスペイン語ではまだ十分ではないということなのだろう。だが逆の見方をすれば、それだけ期待されているということではないだろうか。言葉の問題がクリアーできれば、もっと活躍できる、という判断なのではないだろうか。

 そう思って、今後の大久保選手に期待したい。マジョルカの地を踏んでもう1年。いろいろな経験を経て、一回りも二回りも大きな選手になってほしい。





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