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マジョルカ島から ベンビングッツ! |
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ch.7 <<桜によく似ているが1月下旬から開花するアーモンドの花>>
[ 2.Mar.2005 ]
vol.7 冷えきるマジョルカ
「こんなに寒い冬は経験したことがない」
「もうこれはマジョルカじゃないよ」
「30年生きてきて一番辛い冬」
ここ何週間か、挨拶代わりの天気の話。「オラ!(やぁ)」の前にまず「ケ・フリオ!(えらい寒いなぁ)」なのである。私のような新参者に、マジョルカ人たちは繰り返し繰り返し、この冬の異様さを語ってくる。2月最後の土曜日、ホームスタジオ、ソン・モッシュでの対レバンテ戦、気温だけでなくマジョルカファンの心も冷えきった。
その2週間前の対アルバセテ戦。日本からの親戚2人と我が家3人(もうすっかりマジョルカファン、と言うか大久保ファン)で観戦に出かけた。ここのところ観客の入りが悪いため、「年間パスの所持者は自分が観戦しないのなら、家族や友達に貸してあげて下さい」とか「チケットの値段も下げています」と、新聞やテレビで呼びかけていた。対アルバセテ戦のチケットは、5・7・10ユーロと3段階の値段設定で、こんなに安いならと奮発して(?)10ユーロの席を手に入れた。
その日は春のように暖かかったし、席はピッチに近いし、大久保選手は先発メンバーだし、見知らぬオヤジが「ヨシト!ヨシト!」とガッツポーズをしてくるし、いやはや極楽な気分だった。だが、肝心の大久保選手は特別活躍しないまま後半途中で交代。最近こういうパターンばっかりだなぁ。チームとしては勝ったからいいのだが、素晴らしいデビュー戦を見ているだけに、どうしちゃったかなぁと心配になる。
そんな時に、地元の新聞がコミュニケーション不足云々と書いているのを見かけたのだが、もうこれはしょうがないって。2ヶ月やそこらで簡単にスペイン語話せるようにならないって。なったら大変だよ。でも諦めない気持ちがあれば大丈夫だと思う。新しい生活にも少し慣れてきて、思うようにスペイン語で意志の疎通ができないストレスを感じる余裕がでてきた頃かなぁ、などと勝手にいろいろ思っていたのである。
そしたら、日本への弾丸帰国だって。2年に1度しか里帰りできない私など、まず羨ましい!と思った。そして膝を日本の医者に診てもらうって。大久保選手の場合、ただちに一流の医者の診察を受けられるのだろうけど、忍耐力を鍛えられるスペインの医療システムにかなりお世話になっている私は、なるほどなぁと大きく頷く。でもって奥さんがおめでただって。大久保選手のスペイン帰国の翌日には、奥さんとご両親もマジョルカへ飛ぶって。こりゃまたなんとも慌しい。でも、きっとすごくいい気分転換になっただろうな、と「おかえりなさい」の気持ちになった。
大久保選手はマジョルカに戻ってから1日しか練習に出られず、2月26日の対レバンテ戦には召集されなかった。大久保選手はいないし、気温も思いっきり下がっているので、我が家は自宅で細々とラジオ観戦することにした。マジョルカはルイス・ガルシアのゴールで先制点を取っていながら、2対1で敗北。一部残留のために落としてはならない試合だったのに、ホームで負けてしまったのである。途中で帰りだすファンもいて、ラジオのコメンテーターが、「スタジアム内の温度計は現在6度。気温、人心ともに冷えきっている」と語った。翌日の新聞は、どれも悲観的な内容ばかり。その前節の対バルサ戦は、負けはしたけれど希望が見える試合だったのに、今回は本当に残留危ないんじゃないかという空気が流れている。
もうこうなったら大久保選手に頑張ってもらうしかないではないか。大久保選手がセレッソ大阪の残留にどれだけ貢献したかは、地元のメディアで繰り返し伝えられている。マジョルカも助けてやっとくれというところである。また大活躍して、新聞に太文字のOkuboが飛び交う日を待ってるぞー。